魂のダンス

書く無用人

駄目(2020/4/21(火)~4/26(日)の雑記)

4/21(火)

 『ファーストサマーウイカのANN0』を聞いていたら、LADY Qの「ダメダメのうた」が流れてきた。前日に劇場版のクレヨンしんちゃんを観ていたので、個人的はタイムリーな選曲だった。「ダメダメのうた」というわけではないが、今日は何だかダメな日のようだ。自炊もだるくなって、スーパーで適当に買ったサラダと冷凍チャーハンで夕食を済ませてしまうずぼらっぷり。こういう日は思い切って休む。19時から22時くらいまで仮眠をとると心のダメダメがやや軽減して、すこし楽になる。そういえばずっと観ていなかったなと思い、Netflixで『火花』の1話を観る。最近寝る前は海外文学の古典を読むことにしていて、カフカを読み終え、現在はヴァージニア・ウルフの『船出』を読んでいる。

 


4/22(水)

 出社の日。電車がめちゃくちゃ空いている。普段だったら満員なのに、座席にスペースができるくらい空いている。とはいえこの状況下でもおおくの人が出歩かなければならない現実にガクッとしてしまう。

 久々に出社したら肩が凝った。帰路では、今週の『アルコ&ピースのD.C.GARAGE』を聞く。平子さんがめちゃくちゃでかい蟻を捕まえたという小学生時代の思い出を、酒井さんに全く信じてもらえず、同級生に電話で直接確認する流れに微笑んだ。平子さんの同級生にもズバズバ質問をしていく酒井さんは、さすが国王(SBS放送『チョコレートナナナナイト』における酒井さんの愛称)といったところだ。

 なかなか心持ちが回復せず、ずっと停滞。虚脱。不貞寝。23時という変な時間帯に起きてもすっきりしない。自分が尊敬している人たちの若手時代のインタビューを見て、元気を出そうとするも無理だったので、無理矢理寝ようとするけれどなかなか寝つけなかった。

 

4/23(木)

 『佐久間宣行のANN0』を聴く。喫茶店で作業をしようとするも、横にいた女性ふたりの会話が気になって、仕事の手を止め後輩からの連絡も無視する佐久間さんに笑った。喫茶店とか居酒屋でついつい近くの人の話に夢中になってしまうこと、とてもわかる。コロナ騒動が起きる前に、友人と飲んでいたら、横の席の男女4人が延々と下ネタ、しかもお互いがお互いと交わったことがあるのではないかというようなドぎつい内容に、自分と友人は会話をするふりをして聞き入ってしまったことがある。

 最近は少しでも健康に気を遣おうと玄米を食していたのだが、最寄りのスーパーで品切れだったため、半年ぶりに白米を購入した。
 煮込んだカレーを炊きたての白米の上にぶちかけて食らう。久々に食べる白米はなんて美味しいのだろう。

 メシを食いながら『有吉の壁』を観たり、BEYOOOOONDSが出演していた『KURAGAE』という番組を観たりする。『KURAGAE』では、Twitterで募集した視聴者の推しコメントが紹介されていたのだが、そのトップバッターがぱいぱいでか美さんだった。タイムマシーン3号の関さんがゲスト出演していたのだが、画面に映る関さんの横にでか美さんのコメントが表示されていたので、すこしシュールだなと思った。

 Netflixで『火花』と『波よ聞いてくれ』を観る。『波よ聞いてくれ』のアニメは話の展開が少し違っていたり、漫画を読みながら想像していたスピード感とは違っていたりした。

 本読んで寝ようと思うものの、今日はあまり活字が脳に入ってこない。

 

4/24(金)

 どたばたしているうちにいつの間にか夕方。疲れてしまったのだが、昨日放送されていた『勇者ああああ』のマヂカルラブリーの躍進を観ていたら元気が出てきた。後光が射す野田クリスタルさんの画像はキャプチャー保存した。
 YouTubeを適当に観ていると、おすすめになかやまきんに君のチャンネルが出てきた。アップロードされているコント「ハンドダンベル部」の荒唐無稽さに爆笑してしまう。このチャンネルにアップされているトレーニングにも挑戦してみる。ものすごく丁寧に解説されたあとに実践される胸筋トレーンングがあり得ないくらいきつい。しかし合間合間にきっついだろぅという表情を視聴者に向けるきんに君が愛おしいので頑張れる。
 しっかり汗もかいたので、酒飲んで寝た。筋トレのあとに酒飲んじゃダメでしょう。

 


4/25(土)

 定期的に連絡をとっている友人たちとライン通話。かれらにはハロプロの魅力を伝えてもらった恩がある。前半はハロプロ関連の話題で盛り上がり、後半は近況報告も含んだ雑談で盛り上がった。途中まだまだ酒が足りないということで買い出し時間があった。この瞬間がリアルな交流で早くできればいいなと切に思う。その後泥酔し過ぎて、意識を失うまで喋った。『M〜愛すべき人がいて〜』は酔っぱらったときに観るとますます笑える。

 


4/26(日)

 それはもう大変な二日酔いで一日中調子が出なかった。朝起きて机の上を確認したらワインが1.5本分空いているから、そりゃあこの状態になるわな。Netflixで『火花』の続きを観る。人物の表情まで丁寧に描かれているので見応え抜群だ。

空気頭(2020/4/16(木)〜4/20(月)の雑記)

4/16(木)

 最近は夜寝る前に養命酒を飲むことが習慣になっている。生薬の匂いと独特の甘さがくせになる。身体もぽかぽかしてくる(気がする)ので、しっかり常飲している。それが昨晩切れてしまったので、お昼の時間に買いに行く。外に出ると春めいた風が吹いていて、さらに今日は晴れている。きもちがいい。サニーデイ・サービス春の嵐」を聴く。最新作『いいね!』は緻密に計算された初期衝動といった印象をうけ、たいへん気に入っている。落ち着いたら曽我部さんが最近手掛けたという下北沢のカレー屋「八月」に行きたい。明日はどこか近くのお店で何かテイクアウトしようかな。

 友人が「オマー・ハキムで聴く嵐ソング」というプレイリストを共有してくれた。聞いてみると、嵐もいい曲だらけだ。「星のFree Way」とか「Love Situation」をはじめて聞いて、特に気に入った。このプレイリストを聞いて感じたのは、2002~2004年くらいの曲に好きなものが多いということ。この時期といえば、二宮くんが『Stand Up!』というドラマに出演していて、当時小学生の自分はこのドラマの絶妙な下ネタをどう受け止めていいかわからないまま観ていたような気がする。内容を全く覚えていないため、レンタルして見返してみよう。

 昨日に引き続き、今日もずっとBEYOOOOONDSの動画を観ている。以前聴いたときと同じように、変な曲が多いなぁ(これは褒めている)と感じながら、どんどん好きになっている。InstagramのBEYOOOOONDSアカウントにすべていいね!しているくらいハマっている。

4/17(金)

 BEYOOOOONDSをはじめ、ハロプログループのYouTubeチャンネルを見ることに時間を使っていたため、今週リリースされた新譜を聴いていなかったことに気づく。いまのところ気に入っているのは、赤い公園『THE PARK』、Fiona Apple『Fetch The Bolt Cutters』、Peter CottonTale『CATCH』の三枚。

 赤い公園はいままで聞いてはいたもののドハマりすることはなかったのだが、今回の新譜はものすごく好きだ。新ボーカルの石野理子さんの力強く突き抜けた歌声に、津野米咲さんのソングライティングと抜群の演奏がみごとだ。ノイジーでインダストリアルな要素もあり、展開や構成も複雑なのに、最高にポップ。絶対にライブも観たい。

 Fiona Appleは高校生のころに一度聞いてみたが、当時はそこまでひっかからず。しかし自分の成長もあるのかはわからないが、新作はとてつもないことが一聴してわかる作品だった。特に後半の流れが好きで、「Newspaper」や「Ladies」、「For Her」といった楽曲にはたまげた。Pitchforkでは10点満点。Pitchfork10点というと、自分はElliott Smith『either/or』が一番好きです。

 そしてPeter CottonTaleは、Chance The Rapperと交流が深いキーボーディストでプロデューサー。ゴスペルの歌声に、R&B、ソウル、ヒップホップの要素が絶妙に混じり合い、このアルバムでしかなしえない祈りが表現されているようだ。なかでも「Forever Always」がド級の名曲だ。

 お昼は近所のタイ料理屋さんでカオマンガイをテイクアウトした。午後は「ハライチのターン!」や「FLAG RADIO」を聞きながら、サクサクと在宅勤務を終了させて、TVerで『勇者ああああ』を見る。ななまがり・森下さんの架空のものまね芸人ネタで一通り笑う。本を読んだり、友人とライン電話したりして、この日は終了。

4/18(土)

 外は雨がすごい。簡単に部屋の掃除をしながらも、なんだか頭が重くて作業スピードが上がらない。悪天候の日は気圧の影響で、身体がだるくなってしまう。高校生の途中くらいからこの症状が出ていて、これといった解決策もわからないまま10年くらい過ごしている。そして高校生が約10年前の出来事だったと改めて認識してゾッとする。それなりに楽しかったけど、うわぁあやっちまった消えてなくなりたいみたいな記憶もややある(なぜかそれがフラッシュバックすることが最近ある)ので、もうどうしたらいいかわからない。

 まだ見ていなかった『有吉の壁』や『あざとくて何が悪いの?』を見る。『有吉の壁』では、アルコ&ピースがかなりOAされていてうれしかった。

 本を読んだり昼寝をしたりカレーを煮込んだりしていたらあっという間に夜。会社の同期とZoom飲みをしようということになっていたので、久しぶりの近況報告もかねた楽しい時間を過ごす。

 『M~愛すべき人がいて~』、やたらとTVerで宣伝されていたのと、何やらTwitter上で話題になっていたので、恐る恐る後追い視聴してしまうと、これが脳が千切れるかと思うくらいはちゃめちゃなドラマだった。主演の方の独特な演技、展開のはやさ、熱をかける方向がずれているような演出などポイントはたくさんあるが、何といって高嶋政伸田中みな実が出ている場面は終始爆笑してしまう。次回予告で流れたスパルタ講師を演じる水野美紀の演技が気になって仕方がない。製作陣の面々はそんなに好きではないのだけれど、きっと来週も観てしまう。

4/19(日)

 午前中に注文していたBEYOOOOONDSのアルバム『BEYOOOOONDS 1st』が届く。ドキュメンタリーを見て、メンバーのこれまでと、節目の出来事が起こったときの心情を把握することで、ますますファンになる。アルバムの収録曲もばちばちに気合が入っていて、聴いていて楽しい。J-POPフルコースだ。「高輪ゲートウェイ駅ができる頃には」や「都営大江戸線六本木駅で抱きしめて」といった70~80年代のシティポップ感ある楽曲や、「元年バンジージャンプ」のようなR&B、ファンクの要素を感じる楽曲が特に好みだ。それにしてもシングル曲の(良い意味での)わけのわからなさがより際立つ。去年はじめて聞いたときはそんなにピンとこなかったけど、いまではシングル表題3曲はすっかり癖になってしまっている。BEYOOOOONDSは楽曲のなかに演劇(寸劇)の要素が入っているのが特徴なのだが、基礎がしっかりしているハロプロメンバーが、「劇を取り入れたらおもしろいのでは」という大人の真面目な遊び心に翻弄されながらも、予想をはるかに上回るパフォーマンスを繰り出しているところが魅力的なのだと思う。メンバーもそれぞれ個性的でもう名前と顔が一致するようになった。

 『ゴッドタン』事務所対抗ゴシップニュース回と『爆笑問題のシンパイ賞!』、『そろそろにちようチャップリン』を観る。『シンパイ賞』では、霜降り明星に噛みつくニューヨークが最高に爆発していて笑わせてもらった。『チャップリン』では、金の国、ナミダバシ、森本サイダーのネタが面白かった。

 夜はロロの連作短編通話劇『窓辺』を観た。ビデオ通話を活かした会話や演出が良いのはもちろんのこと、ふたりの間の心境の隔たりが通話という形だからこそ如実に伝わった。次回もたのしみにしている。

 ライブハウスを支援するキャンペーンに参加した。支援先のライブハウスをひとつ選ばなければならず、色々考えた結果、広島に住んでいたときによく訪れた4.14を選んだ。ここではたくさんのバンドを観ることができた思い入れの深い場所。ここがなければ、シャムキャッツのみなさんやHomecomingsのみなさん、カネコアヤノバンドのみなさんなどに直接ファンであることを伝えることができなかっただろう。加えて田舎者だからこそ言いたいのは、地方のライブハウスほどぜったいになくなってほしくないということ。夢中になって聴いていたアーティストが地元のライブハウスに来てくれるうれしさはかけがえのないものだ。いまの学生くらいの世代がどう考えているかは想像するしかないのだけれども、きっと自分のような趣向をもった人はいるはず。すこし背伸びをしているような体験を与えてくれるライブハウスは無くなってほしくない。そんなことを考えながら、キャンペーンに参加した。音源もゆっくり聴こうと思う。

 


4/20(月)

 ぼんやりした朝の脳をひらくために、BEYOOOOONDSと赤い公園のアルバムを聴く。

 『空気階段の踊り場』、『マヂカルラブリーのANN0』、『山下達郎のサンデーソングブック』など聴いていなかったラジオを聞く。最近はもっぱら時間の感覚がぼんやりとしていて、仕事と趣味がシームレスになっているように感じている。

 注文していたYves TumorとGEZANのレコードが届いて、うれしい。早速ふたつに針を落とす。GEZANのA面を聴いているときに、突然ウォールバーに立て掛けておいたジャケットが落ち、プレーヤーの上で回るレコードに直撃した。ぎゃっと声が出た。嫌な予感は的中し、盤面に傷が入ってしまった。1曲目の「狂」で数か所音飛びしてしまう。買ったばかりのたいせつなものを自分の不注意でよくない状態にしてしまい、本当にショックだ。小学生のころ、コロコロコミックの応募者全員サービスで手に入れたベイブレード(どんなやつかはあまり覚えていない)を手に入れたその日に壊してしまったことがあったのを思い出した。根のどんくささは20年経っても変わっていない。しかしこれも失敗から学ぶしかない。これまで以上にレコードの取り扱いに注意を払うことになりそうだ。

 盤も傷付けば心も傷付いたので、バランスをとるために思い立ったのは、映画版のクレヨンしんちゃんを見返すことだった。これは先日野原ひろし役だった藤原啓治さんの訃報も知ったこともあるのだけれども、思い返せば自分の精神的ルーツは2000年代前半の劇場版クレヨンしんちゃんだったのではないかと思ったからだ。

 大好きでたまらない『モーレツオトナ帝国の逆襲』を観る。改めて観返すとテンポの良い展開と呼応するように、キャラクターの発言はキレキレで、動きも絶妙にコミカルなことがたまらなく好きだ。昔の記憶通り、街に取り残されたかすかべ防衛隊の活躍で何度も笑ってしまう。幼稚園のバスを見事に運転するボーちゃんの活躍もさることながら、個人的にはいつも影が薄いといじられるまさおくんが、スナックでは雰囲気に酔い場末の中年みたくなり、バスのハンドルを握ると好戦的な人格へ変わってしまうサイコ野郎に描かれていることが最高にチャーミング。そしてひろしが子どもから大人までを回想する場面から野原一家が団結していく一連の流れにももちろんうるうるくるのだが、今回観返すと「20世紀博」の設立者ケンとチャコもまた人情味あふれる描かれ方をしていたのだと実感する。特にケンの「汚い金」や「燃えないゴミ」ばかりがあふれる21世紀の日本を憂う発言はいま身につまされるものがあった(し、そこで過去に戻ろうとする気持ちも子どものころよりは理解できる)。ただ「未来は俺等の手の中」なのだ。野原一家のすがたを観て、いっぱい笑い泣きして元気も出てきた。

 ずっと積読していた千葉雅也『デッドライン』を読む。フランス現代思想を専攻する大学院生であり、ゲイである「僕」の日々が語られるのだが、何よりも文章が面白い。そして「僕」が修士論文の研究対象として選ぶジル・ドゥルーズの思想が作品の通奏低音となっている点も興味深く読んだ。ドゥルーズの哲学概念のひとつである「生成変化」(Xになること。人間(男性)の支配を逃れて、「動物」、「女性」になること。)を鍵に、「僕」は自身の生き方に思索を向ける。

ドゥルーズは、生成変化を言祝いだわけです」
 と、徳永先生は言った。
 この「言祝ぐ」という言い方が僕に感染する。何かを「肯定する」、「推奨する」ということだが、哲学書に対してその表現を使うならば、その哲学には明確に「価値の傾き」があると認めることになる。荘子なりドゥルーズなりは、最終的にどう生きるのかを良しとしたのか。という実践の問いが、その表現のなかにはある。
 どう生きるか。という素朴な問いがのしかかる。それまで僕の生き方の悩みがなかったわけではない。大学に入って一人暮らしを始め、実際に同性愛を生きるようになって、不安を感じるときに現代思想は助けになってくれた。世の中の「道徳」とは結局はマジョリティの価値観であり、マジョリティの支配を維持するための装置である。マイノリティは道徳に抵抗する存在だ。抵抗してよいのだ。いや、すべきなのだ。そういう励ましが、フランス現代思想のそこかしこから聞こえてきたのだった。
 だがその励ましは、男が好きだという欲望に対する外からの弁護みたいなものであって、僕は僕自身のありようを掘り下げて考えていたわけではなかった。
 僕は何を「言祝ぐ」のか。僕自身の欲望を内側からよく見なければならないのだ。ドゥルーズを通して。
(千葉雅也『デッドライン』新潮社,2019,p106~107)

引用文が象徴するように、自分を掘り下げる過程のなかで、自分ではないものも描写していく。作品のなかで2か所、「知子」という女性の視点へ移ることもその象徴だろう。そうした語りを通して、自分を突き詰めて思考する。たいへん面白い作品だった。

おこ(2020/4/11(土)~4/15(水)までの雑記)

4/11(土)

 スーパーに買い出しをしに行くついでに、近所のお店で入荷していたmei ehara「昼間から夜」の7インチを購入した。表題作が大好きなのはもちろんのこと、B面に収録されているホール&オーツ「I Can't Go For That」のカバーが素晴らしい。

 レベッカ・ソルニット『それを、真の名で呼ぶならば』を読み終えた。作家、歴史家、アクティヴィストである筆者が、現在のアメリカを取り巻く諸問題に対して、言葉をもって闘争するエッセイが収録されている。これらを読んで、アメリカで起きている出来事と日本の状況に通じるものがあることを改めて学ぶ。重視される個人責任、蔓延する差別的言説、特定の利益の優先、格差の拡大などがそれにあたる。そして、それらに抗うためには、本書冒頭で述べられる

言語に関して注意深く、正確であることは、意味の崩壊に対抗し、希望と展望を植えつけるべき愛すべきコミュニティとの対話を勇気づけるひとつの手段である。
レベッカ・ソルニット『それを、真の名で呼ぶならば』p.7、岩波書店、2020)

という態度が重要だ。本書はいままさに読むべき一冊であろう。

 考えたことを反芻するために、ランニングをする。ここでGEZAN『狂 KRUE』とYves Tumor『Heaven To A Tortured Mind』を聴いて、さらに心と身体を奮い立たせる。GEZANの音楽が特に響く。

 夜は楽しみにしていた『ザ・ドリームマッチ』を観た。フィーリングカップルでオードリー・若林さんが大人気なところですでにテンションがあがる。本編も全組面白かったが、やはりハライチ・岩井さん×渡辺直美さんの醤油の魔人と塩の魔人ミュージカルと、オードリー・若林さんと野性爆弾・くっきー!さんのSFコントが抜群に面白かった。個人的にはオードリー・春日さん×南海キャンディーズ・山里さんの漫才も良かったし、ナイツ・塙さん×チョコレートプラネット・長田さんのコントに登場した意味不明のグラフがヴェイパーウェーブっぽくてずっと笑ってしまった。

 その後、友人の発案で映画を観ながらライン電話で駄弁るという試みを行った。『エクスペンダブルズ』を観たのだが、お酒も入っているせいで内容がよくわからなかった。改めて思い返しても彼らが戦っている理由であったり、そこに至るまでの流れがさっぱりわからない。ただ豪華なキャストに莫大な資金を使って成し遂げる豪快なアクションシーンにはある意味楽しませてもらったので、全否定はできない。ちなみに4人で観たのだが、すでに観賞済みだったひとり以外は自分と同じように内容がよくわかっていなくて、安心した。近況報告をしあって、ほくほくとしたきもちで眠る。

 


4/12(日)

  お酒を飲みながら夜遅くまでしゃべっていたので遅めの起床。さらっとTwitterを開くと、星野源が「うちで踊ろう」を演奏している横で、安倍総理がただくつろいでいるという最悪の動画を目にすることになった。この状況下で文化を支援する態度は見せないにもかかわらず、安易にそれを利用しようと精神に吐き気がする。これを観たあとずっと体調が悪くて、ぐったりとしてしまった。

 その後、山下達郎のサンデーソングブックを聴く。最近のライブ音源特集を放送してくれたおかげで、精神衛生が向上した。素晴らしい1時間になった。しかし、どうやら冒頭の発言に賛否両論あるようだ。個人的には、山下達郎さんは現状に怒りを感じながらも、自らの立場を考えて発する言葉を熟考しているように感じた。自分は冒頭の言葉を聞いて、いま抱いている怒りをそのままに、現状を乗り越えるための冷静かつ寛容な態度と行動をとるほうがよいと考えた。感染を防ぐために自宅にいながら、困窮な状況にいる人々へできうる限りの支援をしていくこと、そしてあまりにも的外れな上からの政策には、この島に住んでいるすべての人々が安心して現状を過ごせるような方針をとるよう声を上げることを、微力ながらも行っていこうと思う。

 乗代雄介『最高の任務』を読み終えた。書くことに関する思索が深まる一冊だった。「生き方の問題」では、従姉への恋、そこで生じた交流や景色、心情が、手紙という形で表現される。表題の「最高の任務」では、大学の卒業式を前にした「私」が、亡き叔母にもらった日記を読み返すことをきっかけに、彼女との交流を思い出す。そして、そんな「私」を家族は旅行に連れて行く。特に表題作「最高の任務」がよかった。こちらも日記を読み、そして書くという行為について、徹底した追求が行われている。自身の日記や文献を引用することで言葉の層が重なる。徹底した情景描写がその層をより厚くしていく。そうした多層が本作を彼方に連れて行き、終盤明らかになる亡き叔母の真意には胸が熱くなる。特に印象深い一文を下に引く。

ということは、今になって筆がすべったと自覚するなら、その記述は私にとって重大な意味を持つ。自分を書くことで自分に書かれる、自分が誰かもわからない者だけが、筆のすべりに露出した何かに目をとめ、自分を突き動かしている切実なものに気付くのだ。
(乗代雄介『最高の任務』p174、講談社、2020)

自分がいまこうして書いていることについても、考えさせられる二編だった(中盤「私」が列車で男から性的な視線を向けられる描写はすこし首をかしげたが)。混沌とした現状で自分は何を考えているのかが、こうして書くことで発露していく、それを感じるためにいまも書いている。

 


4/13(月)

 雨だ、寒い。コーヒーを啜りながら在宅勤務に取り組む。お供にはラジオ。自分の知らない音楽を開拓しようとするときには、スカート澤部さんの「NICE  POP  RADIO」や坂本慎太郎さんやコーネリアスがDJを務める「FLAG  RADIO」を聴くことが多い。京都a-stationさまさまである。そういえば京都には3年前に友人に会いに、そして一度は行ってみようじゃないかと思い立ち、別の友人たちと欅坂46の握手会に行ってからというもの、足を踏み入れていない。志田愛佳さんにおすすめのバンドはなんですかと聞いたら、Hump Buckという答えが返ってきて、正直そこまで聞いていなかったのでなんて返したらいいのか迷っていたら時間切れになったことを思い出す。

 昨夜観れなかった「新生音楽 MUSIC  AT  HOME」のアーカイブ動画を観る。これが全アーティスト素晴らしかった。特に七尾旅人の新曲「今夜、世界中のベニューで(Who’s singing)」を聴いて、ここ数日抱いていた怒りが青く変化し、そしていまもっとも願うべき、祈るべきものが歌われていると痛感し涙した。

 夜になるとさらに寒い。ここ最近は銭湯にもサウナにも行けておらず、身体の代謝がよくない気がする。というわけで、いま住んでいる住居ではじめて湯船にお湯を張ってみた。せっかくなので読んでいる本も持ち込む。ここで失敗だったのは、先に全身を洗ってから湯を張ったせいで、浴室は水蒸気まみれ、本がしなっとなりせっかく外界とシャットアウト、本に没頭できる空間を造ったのに、別の心配事が生まれてしまった。明日は先に湯に浸かってから、全身を洗おうと思う。

 いま読んでいるのは山下澄人『小鳥、来る』なのだが、これがものすごく面白い。1970年代の団地に生きる9歳の「おれ」の視点から語られる、子どもたちの生活。「おれ」の思考を忠実に流れるような読点が連続する語りが魅力的だ。この語りによって、登場人物のすがたや大阪の風景がありありと浮かび、読書のよろこびはまさにこのことだと感じる。『燃えよドラゴン』を観た子どもたちが、ブルース・リーのアクセントや文節の区切りで言い争う件を読むことがたのしくてたのしくて、何度も繰り返し読む。「おれ」が劇場で『燃えよドラゴン』を観たときに、普段はサンドウィッチマンをしている「とらやん」と遭遇した場面などにみられる思考の流れには感嘆する。

 とらやんはあんまりちゃんと映画を見てなかった、見ずにお菓子ばかり食べていた、外人が話している場面になったので、よく外人が話している場面になった、おれはとらやんの後ろの席にうつって、とらやんに
「お菓子ちょーだい」
 と言ったら
「あやーん」
 と大きな声でとらやんが言ったから、少し離れた席で足を前の席の背もたれに乗せた男のひとが、ガン、と背もたれをけった。
山下澄人『小鳥、来る』p.71,72 中央公論社、2020。

太字部分は自分が強調させているのだが、ここでふと「おれ」の認識がぱっと挿入される。これが気持ち良くて何度も読み返してしまうのだ。

 


4/14(火)

 自炊スキルがやや上がって、包丁で野菜を切るスピードがどんどんはやくなっていることがきもちいい。ここ数日は、Twitterでみかけたおかず豚汁を作って食べている。いまだに「とんじる」と読むか「ぶたじる」と読むかはいまだ迷うが、自分は「とんじる」と読んでいる。料理研究家土井善晴さんが一汁一菜でいいみたいなことを言っていたのもあながち間違いではないくらい、ご飯とおかず「とんじる」だけで十分に美味しいし、いける。ただ二十代の自分にはややもの足りないため、豆腐や魚肉ソーセージをついでに食べている。魚肉ソーセージには最近ハマっていて、特に丸大食品のフィッシュソーセージがお気に入り。ぷりっぷりなんだ、これがまた。

 スーパーに買い出しに行った。ついこの間友人たちとビデオ通話したときに飲んだはずなのに、またお酒が飲みたくなってしまうのは、さみしさやいらだちを抑えるためなのだろうか。気づいたら籠にサッポロ・ゴールドスターが数本入れてあった。発泡酒のなかではこれが抜群に美味しいと自分は感じており、好んで買っている。

 やはり風呂上がりのビールがうまいでしょうということで、昨日の反省を生かして、先に湯を張る。やはりこの方が半身浴読書に没頭できるので良い。今日も山下澄人『小鳥、来る』を読み進める。

 そしてご飯とおかず「とんじる」、魚肉ソーセージ、ゴールドラガー、そしてニューヨークのYouTubeチャンネルでフィニッシュ。

 TwitterでNight Tempoさんがはっぱ隊「YATTA!」のリミックス音源をアップしていてものすごく元気が出た。実はべろべろの状態でカラオケに行ったときに、自分は歌ってしまうことが多い。いつぞやのカラオケで友人たちとみんなで踊ったな、そういえば。はやく友だちとカラオケにも行きたいな。

 杏さんが「教訓1」を引き語っている動画を見て、揺さぶられたまま眠る。

 


4/15(水)

 ふとXTCを最初から聞き直そうと思い、『White Music』と『Go 2』を再生しながら業務に取り組む。やっぱり大好きだ。『Go 2』は囲碁からタイトルがとられているらしい。この流れで、Beach Boys『Surfur Girl』やDavid Casidy『Home Is Where the Heart Is』を聴く。

 午後からは行くはずだったライブが延期となってしまい、それが無事開催されるよう祈りを込めてKIRINJI『cherish』を聴いた。改めて聞くと音の配置が完璧で圧倒されてしまう。

 飯を食いながら、昨日の『相席食堂』野球対決回を見る。きっとおもしろいと期待していた通りのおもしろさ!長州力の「形変えるぞ!」というパワフルすぎる名言ももちろんのこと、打者なのに隠し球を駆使するミヤちゃんの活躍に笑いっぱなしだった。

 そして購入したINA『牛乳配達DIARY』が抜群に良かった。山下澄人『小鳥、来る』も読み終えた。こちらも良い作品だった。

 夜にアップロードされたBEYOOOOONS『ビタミンME』がパワフルなポップロックチューンでとってもいい。メンバーの元気いっぱいな姿が映っていることももちろんのことだが、商品の宣伝(カゴメとのタイアップ企画)もいやらしくなくて良い。影響を受け、しっかりとカゴメONEDAYを購入しそうだ。そして「靴そこ減り方 付き合う友だち ついつい偏りがちだけど~」というビタミンというテーマも踏まえた児玉雨子節炸裂の歌詞にグッときてしまう。その後、オフィシャルチャンネルにアップされていた「都営大江戸線六本木駅で抱きしめて」のアカペラバージョンを観たが、これもめちゃめちゃ良い。何といっても若干15歳にしてボイパをし、そしてトークボックスを操る清野桃々姫さんがすごい!というわけでBEYOOOOONSの動画を一通り観て元気が出た。

 

田吾作スピリット(2020/4/6(月)~4/10(金)の雑記)

4/6(月)

 今週から本格的に在宅勤務になった。電車に乗らなくていいだけで、こんなに気が楽なのかと感じる一方で、SNSをみると相変わらずの満員電車のようできもちがくるしくなる。

 先週リリースされた新譜をBGMに地味業務をすすめる。加えて、フィロソフィーのダンス「シスター」をようやく聴く。これまでの曲よりも音がはっきりとした印象を受けた。メロウなR&Bナンバーでめちゃくちゃ良い。山下達郎のサンデーソングブックを聴く。今回からスポンサーが楽天カードになり驚いた。流れていたDavid Cassidy「Take This Heart」がものすごく好みだった。この流れで先日逝去したBill Withers『Still Bill』を聴く。「Lean on Me」ももちろんだが、2曲目「Let Me in Your Life」がだいすき。ご冥福をお祈り申し上げます。

 さくっと業務を終わらせ、スーパーに買い物に行く。いつも行くところだと、ここ最近は好物の納豆がいつ行ってもないので、別のところに行くと普通にあった。流通ルートはいったいどうなっているんだろうか。

 ごはんを食べたあと、昨日寝付きがよくなかったせいかとても眠い。一瞬寝たあと、Youtubeにアップされた「#WASH」を観る。この状況下で経営等がくるしいライブハウスの経営者のもとへ、GEZANのマヒトさんが話を聞きに行くという動画。かれらの言葉や行動を目にして、音楽好きで音楽(ひいては文化全般)がないと生きていけない一会社員の自分にはいったい何ができるのだろうかと考える。考えるけれど答えがでなくて、答えがでないということをこうしてインターネットに書きつけることしかできない。

 すこしやることが残っていたので作業をしながら、BSSラジオ『森谷佳奈のはきださNight!』を聴く。最近の流行り歌を矢継ぎ早に流しながら、森谷アナがリスナーの声をズバズバ切っていったり、おいおいそんなことまで話すのかよとこちらが思わず突っ込んでしまうトーク(本人曰くまだまだ軽いほうらしい、たまげる)だったりを面白く聴いている。森谷アナも今回の放送冒頭で仰っていたが、こんな状況下だからこそパーソナリティとリスナーのコミュニケーションが醍醐味のラジオはぜったいに心の支えになると思っている。

4/7(火)

 今日も在宅。午前中のうちに必ずやっておかなければならないことが終わってしまい、あとはのらりくらりと仕事する。

 昨晩寝る前にダウンロードしたLOSTAGEの新作アルバム『HARVEST』を聴く。ものすごく良い。クレジットの通り、これまでベースボーカルだった五味さんがギターを手にしている。アコースティックを基調としたサウンドに、いまをじっくりと見つめた詞。音の雰囲気はどこかAmerican footballを思い出すのだが、いまここで暮らすわれわれに強く響く作品だ。

 夜は友人KとDとビデオ通話しながら飲んだ。

 『ノット・オーケー』を観終える。これはシーズン2を観ないと厳密に評価できない。シーズン1はあくまで前日譚なのだと感じる。

 GEZANが中心となって、大阪のライブハウス・難波BEARSを支援するためにコンピレーションを作成したようだ。先行公開された「証明」という曲を聴く。現状を生き抜くというつよい意志を感じる楽曲で、こちらも心が沸騰してくる、そのままコンピレーションも購入した。

 何となくテレビの番組表を見ていたら、枝優花監督のドラマ『スイーツ食って何が悪い』が再放送されるというので観賞。甘いものが大好きだけど周囲に打ち明けることのできない男の子のお話。ジェンダーの規範にとらわれることなく、ほんとうの自分であるためにはどうするのかというテーマというと重苦しいかもしれないが、そこをスイーツという珠玉の食べ物を媒介させることでやさしい雰囲気が醸し出されていた。ぜひ連続ドラマにしてほしい。崎山蒼志の何でも効率よく過ごそうとする精神を持ちながらも、なかなかギターを持って人前で歌うことができない高校生役の演技もいい雰囲気をだしていた。「塔と海」は何度聴いても良い曲だ。

 


4/8(水)

 ceroの髙城さんのソロプロジェクト・Shohei Takagi Parallela Botanica『Triptych』を聴きながら作業。空間を揺蕩うきもちにさせてくれるローファイな音像が心地よい。ほかにはWilma Archer『A Western Circular』やThe Style Council『Our Favorite Shop』を聴いたりした。

 『チョコナナ』はアルピーの酒井さんがリモート出演。このラジオのリスナーはキモメン・キモウーメンと呼ばれているが、彼らとビデオ通話する「あつまれキモメンの森」という企画が前述の酒井さんリモート出演も相まってカオス状態になりおもしろかった。『D.C.GAREGE』は酒井さんの昆布締めの件から先週に引き続き、平子さんの妻が学生時代インカレサークルとつながりがあり遊んでいた疑惑の件。こちらも面白く聴いた。

 すこし買い物をしに外に出る。道すがらにある人気の喫茶店もお客さんがほとんど入っておらず駅前のスターバックスも閉まっていたので、現状の危機状況を感じる。幸いなことに書店は開いていたので立ち寄り、最新の『文藝』を探すも入荷していないようだった。しかたなく通販で購入することにする。店舗では、ナナ・クワメ・アジェイ=ブレイニヤー『フライデー・ブラック』を購入した。帰りはテイクアウトで美味しいたこ焼き屋さんのたこ焼きを買った。だいじなものごとが長く続いてほしいからこそ、こういった形で飲食店を支援していかなければならない。

 Twitterのフォローしている方々の発信を見て、私立恵比寿中学のライブ映像がYouTubeに公開されていることを知る。パフォーマンスがものすごく力強くなっていて感動した。最近のエビ中は全然追えていなかったので、これを機に聞き直したい。その後、ハロプロの映像を観たり、本を読んだりしたりしたあと眠る。

 


4/9(木)

 あまりにも家にいる時間が長すぎて、鬱々としてきた。

 近所のコンビニに簡単な買い出しをするついでに、今月号のPOPEYE「東京物語」を買った。なにしろこちとらまだ東京2年目のトーシロなのである。コロナ禍が落ち着いたあと、まだいったことのない場所にはやく行きたい。

 今週の「相席食堂」はるな愛KABA.ちゃん回を観ながら、食事をとった。ランニングでもしようと思ったところ、突然雨が降ってきたので断念した。すると猛烈に眠たくなって、一瞬横になったとたん夜中の1時になっていた。このまま起きても体調は悪くなるだろうから、そのまま眠る。

4/10(金)

 結局始業ギリギリまで寝てしまい、慌てて朝シャン。朝シャンなんて言葉を数年ぶりに使った気がする。高校のときに仲の良かった部活の先輩は毎日朝シャンしてから朝練に来ていた。結局軽く汗をかいているのだからあんまり意味がないのではと問うたことが一度あるが、寝ぼけた頭をシャキッとさせるためには必要不可欠らしい。当時はピンとこず、そうなんっすねぇと雑な受け応えをしたが、いまならその感覚はすこしわかる気がする。きもちシャキッとさせて業務に取り組む。『ハライチのターン』を聴く。岩井さんの嫌いなパクチーを食べようとする件が面白くてつい耳を傾けてしまう。

 お昼どきに郵送物の発送や文房具の購入をする必要があったので、外出。
 mei eharaの新曲「昼間から夜」を聴く。バンドサウンドの絶妙なバランスとmeiさんのボーカル双方が、何とも言えない温度感をもって表現されたすばらしい楽曲だ。アルバムも楽しみになる。
 続けてceroの髙城さんのソロ作(とてもお気に入り)も聴きながら、諸用を済ます。
 近所の文房具屋さんではレジの前におそらくポリエステル製の透明なカーテンがかかっていて、抜群の防護体制をとっていた。店員のお母さん曰く、「ニュースでコンビニがやっていたのを見て、今朝から真似してみているのよ」とのこと。こんな状況でもお店を開けてくれて本当にありがとうという気持ちでいっぱいになる。軽く雑談をしてお店を出た。そういえば誰かと対面で話すのは久しぶりだ。
 帰りには近くのパスタ屋さんでうにたらこスパゲッティをテイクアウトした。久々にうにを食べたが、とてもクリーミィでたいへん美味しかった。

 昼からはビデオ通話をしなければならない事情ができたため、伸ばしっぱなしだった髭を剃る。髭を伸ばしたら果たしてどんな様になるのかと期待半分怖さ半分で伸ばし続けていたが、色気などはさっぱり出ず結局地黒の虎河豚にしかならなかった。つんつるてんにもどった。

 業務を終え、さすがに来週からはしっかりせんといけんと思いながらも、結局だらだらしてしまいそうだ。
 夕飯を食べて、気になっていたニューヨークのYouTubeチャンネルで大学時代お笑いサークルにいた芸人特集を観た。これがものすごく面白かった。学生サークルならではの文化やナイチンゲールダンス・ヤスさんのカリスマだったが学生お笑い大会予選落ちといったエピソードが知れて楽しく視聴することができた。
 ここから話は逸れるが、こういった首都圏の大学で緩やかな交流をしながら何かしらの活動を行っていることがほんとうに羨ましくて仕方がない。高校時代からすきなものごとにアクセスしやすい首都圏に出かったけれども、それは叶わず地方の大学に進学した。もちろんそれはそれで楽しかったし友人にも恵まれたのだけれども、こういう話を聞くとどうしても若さ故の楽しそうな活動が憧れていたことそのもので心がわさわさしてしまう。きっとこれからもこの首都圏コンプレックスと一生付き合っていかなければならないのかもしれない。

 なんて考えごとをしてしまいくさくさしてきたので、ひさびさの腹筋トレーニングとランニングを行った。Sorry『925』とJAGATARA『裸の王様』をお供の音楽にした。

 夜シャンをして本を読んで『かが屋鶴の間』を聴いて眠る。

4/1〜4/5の雑記

4/1

 在宅勤務が始まった。ここだけの話、本当に快適だ。上はパーカーに下はスウェットというものすごく楽な格好で、作業を行うことができる。これからも週に数回はこの形態でおしごとをしたい。

 もうひとつ、在宅勤務のメリットに家事がはかどるという点がある。夜ごはんになんちゃってチャンプルーを作った。白菜と葱ともやしを炒めて、そこにとき卵と豆腐をぶち込む。顆粒出汁と醤油少々、塩胡椒で味付けをしてできあがり。案外おいしい。手軽な自炊だとつくるよろこびがうまれるのに加えて、節約もできるのでたのしい。こういったささいなことをいまは大切にしたい。

 


 在宅勤務のおかげで、リリースされた新曲をきちんと聴く時間がたくさんある。藤井洋平、カネコアヤノ、折坂悠太、ミツメ、どれも素晴らしい。

 ラジオも聴く時間が増えた。この機会にSBSラジオ『チョコレートナナナナイト!』(通称『チョコナナ』)やBSSラジオ『森谷佳奈のはきださNight!』を聴き始める。『チョコナナ』はやばたんこと矢端名結アナウンサーと酒井さんの絡みを聴くだけでほっこりとしてしまう。アルピーの『DCガレージ』とかが屋の『鶴の間』も面白かった。

 ハロプロ好きの友人SからJuice=Juiceに新メンバー加入とのしらせが入る。その流れでライブ配信も観る。「好きっていってよ」が本当に好きで、今回のシングル曲はiTunesですべてダウンロードした。まいにち聴いている。

 友人Sが山﨑音羽さんの動画を共有してくれて、BEYOOOOONDSの動画も観る。去年のデビュー時にひととおり聴いたけれどもあまりぴんとこなかったが、今回「恋愛奉行」という曲を聴いてみると、歌詞にトランプのツイートはしょうもないみたいな内容があってドキッとし、すこし高揚をおぼえた。ざっと聴いたところだと、大森靖子が携わっている曲が好みかもしれない。初期の私立恵比寿中学みたいだなと思うのは自分だけだろうか。そして、久しぶりに大森靖子「君と映画」を聴いてみたら、とんでもなく突き刺さる曲だったと改めて感じる。

 


4/2

 出社の日。相変わらず電車にはそれなりに人がいるので、だいじょうなのかと不安に思う。はやくみなが安心して家に篭れるような支援が行われるといいのに。

 お昼はカレーでも食べようかと思い、会社近くの美味しいお店に足を運ぶ。いつもよりはお客さんの数がすくなくて、すこし心配になる。ここに来ると別部署の方と遭遇する確率が高い。この日もばったり遭遇したので、一緒にチキンカレーを食べる。おそらく最近入った店員さんが否応なしに「チキン、ナン、ラッシー?」とメニューを決めつけてくるので、豊富な種類のなかからすきなものを選べなかった。ナンだけライスに変えてもらった。

 この日はテレ東のプロデューサー・佐久間さんのANN0を聴きながら帰路につく。今週のフリートークからもわかるように、スケジュールかつかつのなかラジオを続ける尋常じゃない体力、もしやアイアンマン(こちらファーストサマー・ウイカさん評)でいらっしゃるのでしょうか。2年突入おめでとうございます船長、今年も聴きます。

 


 yeajiの新作がいい。そしてNOT WONKの加藤さんがInstagramで紹介していたValerrie  Carterがめちゃくちゃいい。特にThe Five Stairstepsのカバーである「Ooh Child」。スウィートで力強いうたごえ、スチールギターの鳴り、そして「Things are  gonna  get  easier」という歌詞はいままさに響く。

 お米を炊き忘れたので近所のお弁当屋さんで買ったサバ味噌弁当を食べながら、Netflixで『ノット・オーケー』を観る。プリファブ・スプラウトで踊る気持ちわかるよ。個人のトラウマと超能力とどのように折り合いをつけていくのかが、これからどうなっていくのだろう、たのしみだ。

 いしいしんじ『ぶらんこのり』を読み終えた。とってもよい読書体験になった。あの世とこの世、人と人、人といきもの、それをつなぐ弟のものがたりとそれを語る「私」の関係がいとおしい。

4/3

 今日は在宅勤務。

 本日リリースされた新譜を聞く。Thundercatの新作とYves Thumorの新作がお気に入り。どちらも混沌としていながら、当人にしか出すことのできない音像をうみだしている。雑多なジャンルを吸収しながらも作品としてふしぎな統一感があることに驚きを隠せない。

 Thundercatの来日公演はチケットを入手していたものの、来年に延期となった。少し先が長い気もするが、かれからのそれまでしっかり生き延びて待ってろよというメッセージだと捉えたい。中止にならなくてほんとうによかった。

 フジロックの日割りと追加出演者も発表された。はじめてのフジロックだからいきなり3日間行くのも相当しんどいだろうなと感じ、先行販売は2日券を購入したのだが、結局全日程行きたくなってきた。ええい、このご時世だからもう課金は惜しまんぞ、というわけで追加で1日券を購入して全日程参加という頭の悪い行動をすることになりそうだ。

 聴けてなかった『空気階段の踊り場』の過去回を聴いたり、友人Sがおすすめしていた『菊地成孔の粋な夜電波』のソウルバー<菊>回を聴いたりした。菊池先生の軽妙な語り口のなかにひそむインテリジェンスに思わずうっとりしてしまうラジオだ。和ソウル特集回を聴いたのが、ばっちりのタイミングで流れる山下達郎「SPARKLE」に興奮して、椅子から尻をすこし浮かした。在宅勤務期間を有効活用してこちらも聴いていきたい。

 夜は酒を飲みながら、友人Iとビデオ通話。いわゆる情報交換会。かれのおすすめはミュージカルらしい。しかし本人に直接伝えたように、個人的には物語の要所要所で唐突に歌い出すことに未だ違和感を感じてしまう(感情が昂ったときに歌いたくなるきもちはわからんでもないが)ことと、どこか高尚な雰囲気がある(チケット代も高いし)ことにより、手を出せない状況にある。自分から能動的に観に行こうとはならないので、友人Iに同行するか運よく誰かからチケットを譲ってもらったりしたときに、観に行ってみようと思う。

4/4

    ゆるりと起きて、掃除と洗濯に精を出す。この際だからラグも洗濯しようとするものの自宅の洗濯機に収まりきらず、近くのコインランドリーへ持っていく。これは必要な外出。

  意外と外に出ている人が多いことに驚く。陽気はぽかぽかで、綿毛が風で舞っていた。

  本を読んだり、昼寝をしたり、見逃したバラエティを観たりした。『相席食堂』パンサー・尾形、サンシャイン池崎回が評判通りの面白さ。愚直に身体を張る尾形さんの姿はすがすがしくて、見ているこちらに謎のエネルギーが湧いてくる。池崎さんがマリンスポーツに挑戦する姿がものすごく格好よかったし、笑えた。『勇者ああああ』はマヂカルラブリー野田クリスタルR−1優勝おめでとう回。「ももてつ」実際にプレイしたいな。『勇者ああああ』にも出演していたオズワルド・伊藤さんによるnoteがとても良い。

4/5

 きっちりと自宅生活。SNSを観ていると普通に外出している人が多くてびっくりする。

 『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』がNetflixで配信されていることを友人Iから教えてもらう。だいすきな原作が素晴らしいかたちで映像化されていた。吃音が原因でうまく人間関係を築くことができない高校一年生の女の子のおはなし。志乃を演じる南沙良の表情と声の表現力には圧倒され、蒔田彩珠の演技もクールながらも内に葛藤と熱い想いを抱いた人物像を切に表現していた。前半部分では淡い色合いの映像が広がり、志乃の心の葛藤とともに暗めになる映像も良かった。都市的な様相と海辺がひろがる静岡のまちなみにも惹かれる(『チョコナナ』聴きはじめたことと大学院時代の同期の顔が見たいこともあり、近いうちに一度訪れたい静岡県)劇中で路上ライブを行う場面があるのだが、その流れが「翼をください」、thee michele gun elephantの「世界の終わり」、THE BLUE HURTSの「青空」だったことが、あまりにもまぶしすぎた。

 オードリーのANNを聴きながらご飯を食べたり、ごろごろしたり。若林さんのインコ買いたい件とチェ・ひろしのコーナーには相当笑った。

    ラジオというと、「松岡茉優  マチネの前に」と「新米記者・松本穂香です。」も聴いた。松本穂香さんのラジオでは伊藤沙莉さんがゲストだったのだが、伊藤さんのしゃべりには親しみやすい雰囲気を抱いた。来週もゲストのようなのでたのしみだ。

  大前粟生『ぬいぐるみとしゃべるひとはやさしい』を読み終わった。みずみずしくて、でもどろどろで、なんとも考えさせる小説だった。もう一回読んできちんと感想を書きたい。

 こんな状況でやるせないので、そういえばまだ全部観ていなかった昨年の全感覚祭ドキュメンタリーを観た。あのとき感じたこと、目にしたことを思い出すのと同時に、そのときは観ることのできなかったアーティストの演奏を観て、全感覚祭に参加したすべてのミュージシャンの姿勢に改めて感動する。

 その流れで、昨年NOT WONKが開催した「Your Name」という企画のドキュメンタリーも観た。かれらの在住地である苫小牧のライブハウス・ELLCUBEを会場に、来場するお客さんそれぞれにひとりひとり名前を入れてチケットを販売するなどといったDIY精神のもと、開催されたライブだ。この映像が全光景しびれるものばかりだった。特にギターボーカルの加藤さんが「気に入らねぇやつには、殴るんじゃなくて、殴らせて痛くねぇってことを教えてやる」と言って、最後の一曲「Give Me Blow」が演奏された場面に胸があつくなった。自分の芯からふつふつとエネルギーがわいてきて、つよく生きてやるの精神が勃発している。5月の渋谷クアトロワンマンライブが無事開催されることを祈っている。とびはねたい。

 音楽を聴きながら、ふといい音ってなんだろう(特にミックス)と考え始め、いよいよ自宅の音響環境を整えたくなったけれども、外出が憚られるのでしばらくは難しそう。

 「日向坂で逢いましょう」は3期生の紹介回。オードリーのふたりが相変わらず楽しそうだし、メンバー全員のあかるい雰囲気と笑いに対するガッツがすてき。今日もおおいに笑わせてもらった。森本茉莉さんのハーパーの物まねはそこをついてくるのかと驚かされたし、その後の犬の催眠術の件ではオードリーANNの睡眠導入の回の本歌取りもあり、相当面白かった。家から出ていないのでよく寝付けない。明日からは本格的に在宅勤務らしいので、きちんと眠れるかしんぱいになる。