魂のダンス

書く無用人

0116-0122

 

0116

 通勤中は井伏鱒二『駅前旅館』を読んでいる。旅館の番頭として働く男の語りで進んでいくのだが、あっちこっちに話が飛んでいくだけでなく、当時の風俗を知ることができるのでおもしろい。

 井伏鱒二の作品をかわるがわる読み続けているが、掴めるようで掴めない、けれどもとにかくおもしろい文章に惹かれる。文庫本で持ち歩くだけでなく、図書館で全集も借りて少しずつ読んでいる。

 

0117〜0119

 

 労働に疲れ過ぎて何も考えられない。

 

0120

 

 労働に嫌気がさしたので、いくら夜が遅くてもたらふく食べたい気分になった。こんなときには福しんにかぎる。野菜タンメンと半チャーハンとビールで力がみなぎる。思えば友人宅で飲み会をしたとき、深夜3時くらいに福しんでラーメンをテイクアウトした。そのときに食べたマーボーラーメンがあまりに美味しかった。自分史上、あのときに食べたラーメンがいちばん美味しかった。

 

0121

 

 ずっと行きたかったお店に行けた。そこはマスターが飼育するたくさんの保護猫に囲まれながらお酒が飲めるところ。興味はあったものの機会に恵まれず、延期に延期していたのだが、ついに猫に囲まれながらお酒を飲むことができた。自由気ままに過ごす猫を見ながらお酒を飲めて、ただただ幸せだった。お菓子を購入すると、蓋を開ける音に誘われて、さっきまで遠くでぼんやりとしていた猫たちがたくさん集まってきてかわいい。バリバリと頬張る姿を見て、隙を見て毛を撫でることで、労働の疲れがぴゅーと吹き飛んでいったのであった。

 

0122

 

 保坂和志主催の「小説的思考塾」を視聴。毎回思考が変わる驚きに満ちていて、話を聞くのが楽しい。多くの余暇活動全般の中において、小説を読むという行為がどのように位置付くのか……主義・主張を訴えようとするのではなく、音楽を演奏するように小説を書くこと……とことん考え尽くして突き抜けること……

 労働があまりにもストレスフルで、創作に費やす時間がまったく取れないのだけれど、話を聞くたびにおれは小説が書きたいと強く思う。だからとにかくやってやる。負けへんで!