以前は初対面の相手にも特に臆することなく話しかけることができていたのだが、最近はてんで駄目。一通り挨拶を交わした後に、次にどういう言葉を発すればいいかわからなくなってしまった。
今日の天気や出身地を聞いたところで、どうしようもない会話だなって思ってしまう醜い性根へと変化したのだろうか。かといって自分の興味・関心を曝け出すことでわたしはあなたに抵抗を感じてないという表明も、ただのお喋りクソ野郎になってしまう危険性がある。あとは自分の発言が思わぬ方向に捉えられたり、意図せず誰かを傷つけてしまうことのないよう細心の注意をはらいたい気持ちが以前よりも増しているからなのか。そんな会話にまつわる良い想定と悪い想定を繰り返し考えているうちに、いつのまにか無言になってしまう。
最近よほど腹の立つことを言われない限り、当たり障りのない応答を行い、ニコニコしている。「自分らしさ」がないのではと思うけれども、「自分らしさ」が出せるのは好きなことについてあれこれ喋ったりする瞬間、そしてその先にある他愛もない話やボケ、ツッコミにあると感じている。自分と共通の話題で盛り上がることのできる人とずっと一緒にいたいし、欲を言えばもっと出会いたい、もっと自分の知らない面白い世界へと連れて行ってくれて、かつ基盤が通じる誰かとお話しがしたい。
なんてことを考えながら日々を過ごしていると、Homecomingsの福富くんがラジオ「MOONRISE KINGDOM」において、「身体が千切れそうなくらい寂しい夜がある」と話していた。記憶が正しければ、恋愛相談のメールを受け、友達からじゃないと恋愛関係になれない、共通の趣味がないと難しいみたいな流れで上記の発言があったはずだが、福富くんの発言を聞いたあと、自分のぼんやりしていた思考が明確な輪郭を成した気がした。時折無性に寂しくなる日があるんですよ。
流石に夜も遅いし、地理的にすぐ行ける距離じゃない。だから友だちに会いに行きづらいし、呼びづらい。だけど誰かと話したい気持ちがたまに浮上してきて悶々する。
そんな慊らない自分のお供になってくれるのは、最近もっぱらラジオだったりする。具体を挙げれば枚挙に暇がないのだが、特にお気に入りなのは「佐久間宣行のオールナイトニッポン0」、「アルコ&ピース D.C.GARAGE」、「ハライチのターン」、「山下達郎のサンデーソングブック」、スカート澤部さんの「NICE POP RADIO」などなど。感性に触れる音楽を知れたり、喋りを聞いてふふふと笑う瞬間、気持ちが和らぐ。あと「ふふふ」の字面は、頬笑ましい馬鹿が三人並んでいるようですっごくいいよね。
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