魂のダンス

音楽、本、映画などを絡めた雑記

与太郎はこなれたい

  ようやく正式に会社の配属が決定した。まだまだ下っ端、事務的な作業を淡々と行う毎日。配属されたのは社内でも大所帯に相当する部署であり、賑やかな雰囲気のため日々過ごすうえでは安心材料が多くホッとしている。

  しかし、唯一の懸念点は電話対応。もちろん電話をとるのは下っ端が率先して行わなければならない仕事である。さあやるぞと思うが、これがなかなかうまくいかない。

  まずかかってくる電話の数が多いうえに、デスクの配置上、時折所属する部署の電話か定かではないコールが頻繁に鳴り、「これは自分が取るやつなのか……どっちなんだ……わかんねぇ……」といった具合に、現状認識をすることだけで頭を使う。

  そして、「よーし己が部署だ!新人オレの出番っすね!電話とっちゃるぞ~」と意気込むのも束の間、先輩社員の皆様は電話をとるのがめちゃめちゃはやい。「新人が率先してとりましょうね」の言葉はどこへやら、突然電話取り合戦の渦中に投げ込まれるなんて聞いてないぞ。そんな合戦で生き延びるためにもまた心はすり減る。

  いざ電話をとれたとなっても慣れないことだらけでスムーズな対応ができないことが多いし、とれなかったときには新人の仕事を全うできずに何だか申し訳なくなってしまう。幸い他の業務は特にトラブルはないものの、神経めぐらす電話対応のせいで肩凝りがひどい。あぁ、はやく慣れたい。

 

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  この配属が決まる前は公私で色々あってきもちはやや鬱屈していたのだが、7月31日のカネコアヤノと峯田和伸銀杏BOYZ)の引き語りライブ@恵比寿リキッドルームは、そんな鬱屈も吹き飛ばしてくれた。

  カネコアヤノさんは橙色の照明に照らされながら、力強い歌声を聞かせてくれた。バンドセットのライブは何度も観たことあるのだが、実は引き語りを観るのは今回が初めて。バンドセットではリミッター解除すれすれのテンションがたまらないのだが、引き語りだとメロディーラインの良さがなおのこと引き立ち、ますます好きになる。全身で歌うカネコさんの姿は迫力があって、わりと後方で聞いていた自分の目の前で歌っているような感覚に包まれた。今度リリースされるアルバムからの新曲「光のほうへ」も素晴らしくて、期待は膨らむばかりだ。

  そして峯田和伸銀杏BOYZ)さんは圧倒的な熱、熱、熱!「SKOOL KILL」では途中からギターをぶん投げ、客席へ乱入。ポカリスウェットを頭から浴びた後は、まさかの続きを独唱でこちらもテンションが上がる。「夢で逢えたら」や「愛しておくれ」が聴けたのもうれしかった。バンドの際に涎を垂らしながらハチャメチャになる峯田さんも好きだけど、引き語りだと歌がよりダイレクトに伝わってくるようで、何だか涙目になりながら観てた。観ていた。アンコールでは、「エンジェルベイビー」をスピーカーの上でマイク使わずに歌う。その姿や客席の雰囲気も含め、ライブハウスが突然高円寺のアーケードになったみたいでとても良かった。

  一緒にいった友人と「はぁ~良かったねぇ〜」なんて言いながら出口へ向かっていると、横にいたのはピースの又吉さんだった。最近は自分が尊敬する人とのエンカウント率が高くて驚く。さすがに話しかける勇気はない。

 

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  この期間に観た映画だと、カビール・カーン監督『バジュランギおじさんと、小さな迷子』で号泣した。パキスタンに住むムスリムの少女・シャヒーダーは生まれつき言葉を発することができない。この状況を脱するために、母とともにインドへ参拝しに行くのだが、ひょんなことからシャヒーダーはインドに取り残されてしまう。そんな彼女が出会うのはヒンドゥー教徒ハヌマーンの熱心な信者であるパワンだった。

  インド映画でおなじみの歌とダンスや、教えに正直すぎるあまり失敗してしまうパワン、それを見てこりゃだめだという仕草をするシャヒーダーの可愛らしさなど、純な心で楽しめる要素が多い。しかし何といってもインド、パキスタン間の外交問題や、宗教間における問題を、ただ困っている人を助けたいというきもちに突き動かされて打破していく過程が素晴らしい。ラストはああ、きっとこうなるんだろうなとわかってても涙が出てきてしまう。約160分の上映時間は全く長いとは思わない。むしろ登場人物たちの姿をもっと見せてほしい。そんなきもちにさせてくれる映画だった。

 

 


アンガールズ田中、Aマッソにテレビで売れる方法を講義1/3

  あとはNetflixで『ダーク』を少しずつ観て引き込まれていたり、YouTubeのAマッソ公式チャンネルにされたアンガールズ田中がテレビで売れるための方法がもはや優れた処世術であったことに感嘆したり、NHKドキュメント『半グレ』を手汗だくだくで観たり。


青春のスピード/青春高校アイドル部 選抜【青春高校3年C組】

  また『青春高校3年C組』のアイドル部の公式PVが滅茶苦茶良い。きらめくストーリーと、様々な想像力を掻き立てる場面の連続。アイドル部以外のメンバーも多数登場しててなお良い。監督は松本荘史さんで、起用した佐久間プロデューサーの目が良すぎる。船長、あんた最高だよ!(そうです、『佐久間宜行のオールナイトニッポン0』は毎週欠かさず聴いているのです)

 

  そんなこんなであっという間に長期休暇に突入した。地元に帰ろうかと思ったけど私用で来月帰るのは確定しているし、何より交通の便が悪すぎる地元は、この時期交通費がシャレにならんくらい高い。怒涛のスピードで駆け抜けていったこの数週間の疲労もあるし、しばらくはゆっくりまったりして気を充足させるつもりでいる。

 

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  そんな充足のために新木場へ足を運ぶ。長期休暇のはじめ、cero主催のライブイベント「Traffic」に行った。ceroのボーカル・高城さんがバランス感覚の優れたラインナップと評したように、会場にいたすべての時間、極上の音楽に浸れることができた。

  去年年間ベストにも挙げた千紗子と純太は、千紗子さん(CASIOトルコ温泉)ののびやかな歌声と、純太さん(neco眠る)の時に荒々しくノイジーに鳴るギターが、もの凄く良かった。そしてCharaは代表曲と最新アルバムしか知らないまま観たのだけれど、パワフルなステージングで圧倒されてしまった。「Junior Sweet」でなぜだか涙目になってしまうくらいで、一緒に観に行った友人たちとは終演後も「Charaヤバいよ、ヤバいよ」と連呼していた。そして主宰のceroもテンションの高いライブをみせてくれ、身体が揺れる揺れる。アンコールでは久しぶりに「さん!」を聴くことができてとても嬉しかった。もちろんここに挙げた以外のアクトも素晴らしく、また入口横のDJブースやテントステージ、出店されるフードにも大変満足。こんな時間が毎週欲しい。ちなみに新木場スタジオコーストのドリンクカウンターは交通系ICカードが使えてしまうため、何の罪悪感もなく延々とビールを注文してしまうので超危険。

 


Clairo - Bags


South Penguin - idol(Official Music Video)


betcover!! / 異星人 MUSICVIDEO

  もともと音楽中心のことを書いていたにも関わらず、最近新作はあまり追えていない。でもClairo『Immunity』は音遣いが好みでよく聴いている。国内だとSouth Penguin『Y』とbetcover!!『中学生』が良いです。


昆虫キッズ【サマータイマー】 2010/8/6 下北沢440

  Twitterはてなブログかで観た昆虫キッズの記事を読んで、彼らの楽曲を改めて聴くことも多い。随分昔はあんまりピンとこなくて、いつの間にか解散してしまったのかとか、スカートで佐久間さんがドラム叩いているなとかの印象なのだが、これはリアルタイムで聴き続けていきたかったし、ライブも観に行きたかったな。後悔。

  あとは『レコードコレクターズ』の新刊、または古本屋で購入することがちらちらあり、その影響で70~80年代のシティポップ、ポストパンク、ニューウェイブネオアコとかをちょっとずつ漁る。

 

  すでに20年以上生きているにも関わらず、世の中はまだまだ知らないことがたくさんあるし、きっとそのなかに自分が夢中になれるものもたくさんあるはずだ。どうしようもなく引き込まれてしまう瞬間や、どう理解していいのかわからなくなるような感覚を得たくて得たくて日々過ごす。それを原動力に、想像力を押し拡げていきたい。(了)