就活中の元バイト先の後輩が、面接のためにうちへ泊まりに来た。自分のもとを訪れてくれたことへの嬉しさ、そして面接へのエネルギーにしてほしいという思いから、夜はふたりで「キッチン男の晩ごはん」へ行った。インパクト抜群のボリュームと濃い目の味付けで、景気づけにはピッタリのパワーフードである。「頭の悪そうなメシですね」だとか、有線で流れるあいみょんを耳にして「最近どこに行ってもあいみょん流れているから、腹たつんですよ」と発する後輩は相変わらずシニカルでクールなのだが(対照的に「人気だからねぇ。聴いてみると良い曲多いよ」と返す半端者は自分である)、やはり今後の生活がかかる就職活動ともなると不安なことも多いらしく、ぺーぺーではあるが一応会社員として暮らすの自分への相談事などを含め、色々と話した。久しぶりとは言ってもバイトの送別会から一ヶ月経ったか経っていないかくらいの時間の幅ではあるが、見知った顔、加えて音楽を中心に話ができる人と会うと、高揚感が生まれてしまい、二人でお店を出たあとからうちで寝るまで最近のレコメンドをお互いに聴かせ合うなどしながら、話続けてしまった。
会社に向かう途中で後輩と別れ、特にトラブルもなく研修をこなし帰宅したところ、後輩からの吉報が届く。興奮している彼の声を聞いていると、こちらも歓喜の気持ちが生まれるのは何とも不思議なことだ。彼が来年以降こちらへやってくることは確定し、その頃には自分にそれなりの稼ぎもあるはずだから、彼にあいみょんを聴かせながら「キッチン男の晩ごはん」を三人前とビールを五杯ご馳走してあげたい。
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