大童澄瞳『映像研には手を出すな!』

f:id:tacchi0727:20180212224655j:image 

 

  何かを始めようとするとき。それは自分の好きなものだろうとそうでなかろうと、大きな決意が必要となる。

 

  例えば、スポーツ。テレビから流れる野球選手が活躍する姿を見て、「わあ、かっこいいなあ。自分もあんな風にフルスイングしてえなあ」と感じる。では野球を始めようとするならば、道具はもちろん必要だが、それを行うためのコミュニティへと飛び込まなければならない。だって、ひとりで素振りをしているだけじゃあ、風を切る音しか生み出せない。

 

  この飛び込むための一歩というのは、踏み出したくてもなかなか踏み出せないと思う。もしも「はなっからセンスがないとか言われたらどうしよう。周囲の人とうまく関係を築けなかったらどうしよう」などと、様々な不安や心配が込み上げてきて、結局始められないなんてこともザラにあるでしょう。つらい。自分は幼少期、そんなことから遠方にある野球チームに参加することができなかったんですけども。始めることには、障壁がつきものだ。なんて。

 

  そして、始めたことに関して、共に夢中になれる仲間というのも大切だ。ただの仲良しこよしでも、足の引っ張り合いでもない、そんな関係。みんなきっとそんな関係を望んでいるだろうが、そうはいかないから苦労する。思い当たる節は多々あり、気分が沈んでしまうのであるが、つまり何が言いたいかというと、何かを始めるときには大きな勇気、そして、人間と人間の結びつきほど鍵となる。結局この世の中なんて一人で生きることなど不可能なのだから。

 

◯「ツバメのお友達?」「い、いえ。仲間です。」

  アニメ制作がしたくて設定画作成と探検に勤しむ浅草みどり、こちらからしたらやることなすことビジネスにおもえてしょうがなく、金儲けに目がない金森さやか、モデルとして活躍する傍ら、本来の夢であるアニメーターになろうとする水崎ツバメ。端的にいえば、この三人がアニメ制作、やったろうじゃないかとアクションを起こす物語。

  当初は既に学校に存在しているアニメ研に入ろうとするも、中々行動に移せない浅草。

 

一人で行動するのが怖いんだよ。

ワシは切っ掛けやら環境が整わんと何もできない人間なのだ。

 

「広い世界を大冒険したいなあ……」思いと裏腹に行動にうつせない浅草の姿が、夢と現実の折り合いをつけながら、もがいているだろう私たちに迫ってくる。そんななか金森とともにアニメ研の見学に行くと、裕福な家庭である水崎が使用人に追われている出来事に関わることとなる。どうやらアニメ製作を行うことを両親から反対されているよう。では自分たちで部を作ればいいのではないかという金森の提案の元(ここでも彼女は水崎のカリスマモデルをダシにして金を儲けようと試みている、ぬかりねえ)、映像研を設立するってのが、物語の始まり。

 

  なんといっても本作のこの三人の関係性が素敵なんですよ。まずは金森と水崎。

 

水崎「そうは言うけど、浅草さんって凄いよね。」

金森「なんです突然、気持ち悪い。」

        「誰かを称賛する導入で話し出す人間が私は一番嫌いです。」

水崎「ははは金森さんらしい。」

 

今の世の中ほど、人の言動に対して正直に嫌いということに困難が生じるでしょうね。だって誰もが誰かに嫌われたくないように生きているだろうし。そんな気持ちに折り合いをつけようとするからアドラーの本が売れたりするのだろう。そこでズバッと自分の考えを言えちゃう金森にまず惚れる。かっけえよ、あんた。

 

  そして水崎の応答がこれまた素晴らしい。大抵の人間なんか、対面した状況で「嫌い」なんて言われてしまえば「ゥゥ、ごめん……」とか言ってすぐさま会話が停止。お互いの間に不穏な空気がどよーんと流れ、なんとかせねばと適当に話題転換。しかし、ギスギス感はそう簡単に払拭されることなく、「……では……またね」と場を後にし、その後出会っても気まずい雰囲気となるに違いない(とんでもバイアス)。しかし水崎は違う。決して笑って受け流してなどいない。金森の「らしさ」を肯定しながら、その後も浅草の凄さを語っちゃう。まったく、ブレていない。かっけえよ、あんた。

 

  そして浅草。想像力を巧みに働かせながら、自由爛漫に行動するが、彼女もまた優しい。2巻において、3人はロボットアニメのロケハンと称して学校の地下ピットを探索するのだが、ここで床が抜けてしまうアクシデントにあう。ここで浅草は、常に身につけているリュックから、ロープ、十徳ナイフ、折り畳みスコップを取り出し、脱出のために最善を尽くすのだ。なんでそんなものが入っているのかなどという突っ込みは野暮。生活は冒険であり、それを体現しているのが浅草その人なのだ。それにしても、なんだかドラえもんの4次元ポケットのようなリュックだ。ドラえもんのび太の頼みに応えるように、誰かを支えるために彼女はリュックを持ち歩いているんじゃないかな。

  力強さを見せたかと思えば、暗いところが苦手らしく、水崎・金森にすがりつく弱さをみせたりもする。誰かに弱みを見せれること。そして誰かを頼れることこそ、本当の優しさなのかもね。と、クサいことを言ってみて、あな恥ずかしや。

 

   ともあれ、この3人のやりとりだけでも、グッとくることが多いのだが、なんといっても本作、夢とこだわりに満ち溢れているのだ。

 

◯こだわり抜け!好きにやろうぜ!それが絶対に楽しいんだから。

  浅草が描く設定画、これがアニメ・特撮への憧憬に満ち溢れたもので、作品の合間合間で挿入される。これがなんと細かい!ここだけじっくり読むだけですっげぇ楽しいんだよ。そんな彼女が描く世界は、作品を大きく揺るがせる。設定がそのまま3人を取り囲む物語になるのだ。これを読んでも何を言っているのかさっぱりわからんでしょうが、とにかく本作を手にとってもらわんといかんのです。皆さん、こちらは是非自分の目で確かめなすってくだせえ。御覧じろ!!

 

  そして3人に共通するもの、それは情熱だ。やむにやまれぬ情熱だ。

 

浅草「私の考えた最強の世界。」

        「それを描くために私は絵を描いているので設定が命なんです。」

 

金森が浅草に対して

「あのねぇ、あなたがダメだと思うから、この作品はダメなんですよ。」

「他人なんて関係ない。」

「監督なんすよあんたは。」

「あんたがこのロボットが満足できないなら、「更に好き勝手描く」以外の選択肢はないんすよ!」

 

水崎「大半の人が細部を見なくても、私は私を救わなくちゃいけないんだ。」

       「動きの一つ一つに感動する人に、私はここにいるって、言わなくちゃいけないんだ。」

 

 三者三様、絶対に優れた作品を作るために、行動を惜しまない。その姿がなんと実直で、ひたむきで、力強い。好きなものだったり、自分のなかのこだわりを表現していくことには、時に苦しいし、困難も生じる。浅草は一人でアニメ研に行くのを恐れていたし、水崎は両親からの反対という壁を抱えている。しかし、恐れなんて吹き飛ばせ。障壁を乗り越えるためという目的なんてあってないようなもの。ただ好きなものへの素直な思い、各々のこだわりを奮い立たせるだけなのだ。ガツンとくる。

 

  そして何より創作への愛が深いのは、作者・大童氏なんだろうなあ(唐突に実作者の話)。セリフ割、コマ割りが、映像チックで作品内容と密に関わり、互いに反響しあっている技法も素晴らしい。

 

    気になってはいたものの、去年読むことができなかった本作。2018年序盤に読むことができて非常に嬉しい。今後の展開も楽しみな一作です。

 


 

 

 

1月。反吐ヘドこころ。布団だけだよ、優しいのは。

    新年始まったなあと思った刹那、奔走&挫折を反復するうちに、完全に疲弊。楽しいことがあっても、何だかダウナーになってしまうことが多かったような気がする。が、気張っていきましょう。まだまだ2018年はこれからだ。

 

    インフルエンザから回復したところで、とりあえずバイトバイトバイト。

 

 

 

今日も働いているのは、好きな本を買うため、研究の本を買うため、ご飯を食べるため、就職活動の費用を稼ぐため……かっこよくねえなあ。

 

    あとはテレビ放送された『君の名は』視聴しました。なんで見ていなかったのか、自分をぶん殴りたくなるほど、良い作品。中学生の頃、よく聴いていたRADWIMPSの音楽が非常に効果的に使われてるのはもちろん、繋がっていて繋がっていない二人の物語、それが『万葉集』の歌をもとに動き出しているのがたまらない。

 

    研究の一環で文学年鑑を漁っていたのだが、知らない作家がこれまた多いこと。もちろんここに載っていない作家もいるわけで、そんな未知の世界を掘っていきたいと感じるものの、作品を読むのにはそれなりのエネルギーを使うので、頼むから単位取得の負担をもう少し減らしてくれよ大学、ってな思いであった。

 

    そんな上旬はアッという間のタメゴロー。発表、インターン、発表、ES作成で、何かと余裕がない。最近自分の研究発表は迷走してますし……「えたいの知れない不吉な塊」が襲ってくるのですよね、爆発すればいいのに。

 

 

梶井基次郎全集 全1巻 (ちくま文庫)

梶井基次郎全集 全1巻 (ちくま文庫)

 

 

 

    とは言っても自分が爆発させることができるかと言われたら、んなこたぁできない小心者なわけで、全くむなしくてやるせなくてしょうがないわけですが、バランスを保ってくれたのは、Shameの新作でした。

 


Shame - Concrete (Official Video)

 

閉塞感漂う昨今の英国というのはブレイディみかこさんの著作などでぼんやりと把握していますが(この辺りもう少し勉強したいところ)、そんななか登場した彼らのパンクスピリッツは良いですねぇ。

 

    あとは連続ドラマだと『anone』が毎週の楽しみ。社会から外れてしまったものたちが、どう生きるか。細かな映像演出にも目が離せません。あとブログ「青春ゾンビ」「無印都市の子ども」がとても参考になり愛読させてもらってます。そして本作を繰り返し見直してみたい気持ちにさせます。こんな文章が書きたいなあ。

 

    古書店で買ったブコウスキー『パルプ』のハードボイルドに触れつつ、保坂和志『小説の自由』を読み返しながら、本を読む、広くはカルチャーに触れることとはなんぞやについて考えたりもする。

 

   『約束のネバーランド』7巻は、地下シェルターの発見、謎の男との出会い、ミネルヴァ探しといったところで。本巻は過渡期って感じかな。

 

    音楽に関して、新譜はあまり聴くことができなかったのですが、平賀さち枝とホームカミングス『カントリーロード/ヴィレッジ・ファーマシー EP』、People In The Box『Kodomo Rengou』、小袋成彬「Lonely One feat.宇多田ヒカル」、James Brake「If the Car Beside You Moves Ahead」が特にお気に入り。ALの新作も良さげですが、まだ買えてない俺はふてえ野郎である。

  

 


People In The Box「かみさま」Music Video

 

 

  


James Blake - If The Car Beside You Moves Ahead (Official video)

 


AL / ハンアンコタ

 

    下旬に差し掛かると何かと余裕を失うなかで、ももクロ・有安さんは卒業発表するわ、アイドルネッサンス解散発表するわ、小室哲哉さんは引退しちゃう。ECDさんも亡くなってしまう。自分の心境とこうした出来事を並列させてしまうのはいけないことだとは思いながらも、やるせない思いに拍車がかかってしまうなあ、そんな一月。

 

12月、居間のシロクマ

 

  タイトルは、tacchi0727が友人から少しだけ見せてもらった伊舎堂仁さんの歌集から着想を得た。

 

トントングラム (新鋭短歌シリーズ18)

トントングラム (新鋭短歌シリーズ18)

 

 

このなかにある歌集の題名(?)に「とんかつのコロッケ」というものがあった。とんかつのコロッケ……なんだそりゃ。なんだそりゃなんだけど、なんかいい。とんかつという誰もが愛してやまない揚げ物を、さらにぐちゃぐちゃにして衣をつけ、再び油の海に投げ込むのか!?そんなリアルなことを一瞬考えたが、全くもっての野暮。それよりも言葉の響きがカーンと冴えている。トンカツのコロッケ。グラタンのピザ。カレーのシチュー。きゅうりの白菜……うくく。おもしろい。今度きちんと読もうと思ったtacchhi0727。

 

  そんな連想を時々脳内で繰り広げるお花畑野郎tacchi0727の生活は、ゼミ発表から幕を開けた。発表準備、これがなかなか手強いけれども、好きなことを研究しているものだから、そんなに苦痛は感じない。言いたいことがうまく言葉にできなくて、苦しむことはあるけれど。

  研究室に籠っていても筆が乗らないこともあるので、っしゃ、ここは思い切ってチケットを買い、スカートの『20/20』リリースツアーに出向いた。対バンはHomecomings。

  Homecomingsは、数年ぶりにライブを見ることができた。何と素敵なライブだった。「PLAY YARD SYMPHONY」「HURTS」「I WANT YOU BACK」の流れに、tacchi0727大感激。

  スカートは、素晴らしいライブ。ライブだからこその熱量のある演奏と、澤部さんの歌声。パワフルでいて、時に切なく歌い上げる姿はたまんねっす。アルバムの曲だけでなく、旧作の曲もたくさんやってくれたのはうれしかった。Negicco・kaedeさんに提供した「あの娘が暮らす街(まであとどれくらい?)」が鳴り始めた瞬間、こんにちネギネギーでもあるtacchi0727、嬉しくてワッと声が出た。

 


Kaede(Negicco)「あの娘が暮らす街(まであとどれくらい?)」(作詞・作曲 澤部 渡 編曲 スカート)

 

最後の「セブンスター」もよかったなあ。そしてパーカッションのシマダボーイさんが凄まじかったことも報告しておきます。終演後はHomecomingsの方々とお話することができ、大満足。

 

  発表も何とか終え、安堵したtacchi0727のもとにミツメから最高の新曲が届く。

 


ミツメ - エスパー

 

空白のなかにある耽美さ、少し外れたメロディー。彼らには珍しい王道メロディー進行だけれども、彼らにしかできないだろう音遣いにノックアウト。間違いなく今月のベストトラックや!!!と興奮していたところ、宇多田ヒカル姉さんがとんでもない新曲を発表する。

 


宇多田ヒカル 『あなた』(Short Version)

 

はんぱねえっす……。サブスクリプションも解禁されて、きちんと聴けてなかったいくつかのアルバムも堪能することができ、嬉しい限り。あと今月聴いた音楽といえば、トリプルファイヤー、My Hair is Bad、ちゃんと聴けてなかったPhoebe Bridgers、N.E.R.Dとか。

 

  年末ということもあり、友人・先輩・後輩との飲み会だけでなく、学会の打ち上げと称した飲み会が立て続けに起こる。最近感じるのは、酒を飲んでいる瞬間はこんなに気持ちの良い時間があっていいものかってくらい最高にハイになるのだが、tacchi0727本来はそこまで酒に強いわけではない。次の日になると、体調が優れないことが多いのが、これまた辛い。適量ならそこまで影響が及ばないものの、元来お調子者のtacchi0727は、この年になっても楽しい時のペース配分が下手糞極まりない。何やってんだかほんと。

 

  ぐでぐでしてしまうのもよくないので、先月図書館で文芸誌をパラパラとめくっていたところ、冒頭部分の語り口に引き付けられた若竹千佐子さんの『おらおらでひとりいぐも』を購入し、読む。

 

tacchi0727.hatenablog.com

 

こちらにも挙げているが、内容はというと、夫にも先立たれ、こどもとも疎遠となってしまった桃子さんのお話。このように書くと何だかしみったれた小説のように思えてしまうが、桃子さんの周り、というか桃子さんのなかから沸々と湧き上がってくる様々な声、思考は賑やかだ。方言も効果的に用いられており、非常にリズミカル。ひとりだけど、ひとりじゃない。生きるための強さが伝わってくる。ここで作中の好きな言葉をひとつ。

 

まぁ人間の無力を思い知らされたわげで、この世は絶望づ壁がある。したども一回それを認めでしまえば、これで案外楽でねがと、おらは思ったわげで、そこに至るまでの身の処し方を考えればいいどいうごどになる。(P.23) 

 

強いなあ、桃子さんは。このあと「はぁ、さっぱり分がんね、何言ってんだが。」と冷静になってしまうところは、何と人間深いことか!素晴らしい作品だ。

 

  中盤以降は後輩に誘われた催しものの準備やDJのためのセットリスト構成、年間ベストアルバムの選定といった傍ら、やる気の出なかった発表をひとつこなして、本年の学業タスクをひと段落させる。

  発表を行う授業だけではなく、友人に誘われ社会学についておしゃべり?をする授業にも参加しているのだが、ここで萩上直子監督の『バーバー吉野』を観る。

 

バーバー吉野 スペシャル・エディション [DVD]

バーバー吉野 スペシャル・エディション [DVD]

 

 

この映画から「伝統の創造」ということについて考えようという旨だったのだが、その観点以外からも大変面白く鑑賞した。地域や共同コミュニティにある伝統というものは、どこかの誰かが生み出したものであって、それが良いものなら残されていくべきだし、そうでないなら無くしていかなければならないだろう。ただ伝統ってのも、時代や人々の要請に合わせて変化していかなければならないのであって、こういった点について多くの人々が常に考えていくことが必要となるんじゃないかしらってのが授業の本筋(だったはず)。「吉野刈り」という決まった髪型へ反抗の意を唱え、(ネタバレにはなりますが)各々の自由を獲得していくも、それがラストシーンでは最先端の流行という観点から暗に視聴者を揺さぶりにかけるところは、興味深かった。もたいまさこのバッチリキマった理髪店店主の役柄もさることながら、子供たちの演技が生き生きとしており非常に良い作品。

 

  しばらく発表もないので、見たかった漫画に手を出す。『約束のネバーランド』の買えていなかった5巻、6巻、そして『左ききのエレン』、『月曜日の友達』を読む。いずれも良い、おもろい。こちらにも選出。

 

tacchi0727.hatenablog.com

 

  学会や友人たちとの会合を経て、しゃあ年末年始や!気分転換リフレッシュ。これが生きていくうえで重要なのであって、そうした楽しみを計画し、思う存分楽しむことで、次に迫りくる日常のタスクへ立ち向かうことができるのだ。と、それの下準備として意気揚々とアルバイトをこなしていくうちに、気づく。「ありゃ、なんだか寒気がするなあ」

  ある朝、暖房をつけて部屋を暖めておいたにも関わらず、この寒気が身体に否応なく襲ってくる。何だか身体もだるい。嫌な予感を感じたtacchi0727は、病院へ向かい検温。あまりの高熱に、思わず「これは……fluですね」看護師さんも苦笑い。「そうみたいですね、検査しましょう」

  予想は的中し、インフルエンザ。病室で崩れ落ちる年末年始の楽しい計画。トホホ……。どうやらB型だったらしく、お医者さん、思わずこう言う。「A型は流行していますが、今年に入ってB型は初めてですよ」なんでそんな珍奇なものに罹ってしまうん、おれ。最終的にはお医者さんとふたり、げらげら笑ってしまったのだが、帰宅するころには病魔が身体・精神ともにむしばみ、ベッドから動けなくなってしまった。

  様々な所連絡を行うなかで、心配してくれる友人たちに何度救われたことか。地元の家族や友人と直接会うことはできなかったけど、また帰ればいいさ。

 

  と気丈にふるまってみたはいいものの、滅茶苦茶寂しい年末年始でした。ようやく体調が回復した31日は、『ドキュメンタル』最新シーズンをまとめて視聴する。

 

f:id:tacchi0727:20180103012030p:plain

 

tacchi0727的なハイライトは、森三中・黒沢さんの歌に合わせてフジモンとダイアン・西澤さんが謎のダンスを繰り広げ、そこに野性爆弾・くっきー扮するテディベアちゃんが登場するシーンだった。黒沢さんのマイクにかかる謎エコー、珍妙さを増していく両隣の二人、絶妙なタイミングで登場するくっきーは、まさに笑いの共鳴。最高でした。

 

  紅白も普段は家族とみるのだが、今回は単独視聴。なんだか寂しいので、副音声のウラトークに切り替え、気分はバナナマンと共に視聴することとした。椎名林檎嬢・トータス松本さん「目抜き通り」は圧巻だった。Perfumeもすげえ。星野源さんは曲が良すぎるよ、ほんと。エレファントカシマシは熱かった……!今年は演出のグダグダ感も少なく、非常に楽しめた。欅坂46は1回目のパフォーマンスに気合が入っていたのが良くも悪くも影響し、2回目の内村さんとのコラボは見ていて心配にしかならなかったのが正直なところ。ただ16年の欅坂46を観ていたtacchi0727としては、わたしたちに訴えかけるようなライブが見たいとただ心から願うのみ。有明コロシアム初ワンマンライブ良かったよねぇ、と一緒にいった後輩と感傷に浸りがちな最近。時代はひらがなっすよと、諭す別の後輩。ひらがなけやき、良いよなぁ。その後輩からの幕張ライブの感想を聞くと、行けなかったことをただただ後悔。

 

  そんなこと考えている間にいつの間にか年が超えてしまった。tacchi0727は、今年一年こちらでわりかしアクティブに動けたことに満足しつつも、もっと様々なものを楽しみたいとギラギラ目を輝かせる。でも健康第一だよなと我に返り、ただ自ら、そして近辺人物の健康を願うのみであった。

  ただ様々な人の温かみに触れ、それが体調を崩した年末にヒシヒシと感じられることになったため、最後はそれに関連するだろうし、tacchi0727的にもグッときた『おらおらでひとりいぐも』の文章で締める。

 

  ああそうが、おらは、人恋しいのが

  話し相手は生きている人に限らない。大見得を切っていただぐせに

  伝えって。おらがずっと考えてきたごどを話してみって

  まだこの国に災厄が迫っている気がするも、どうしてもするも

  伝えねばわがね。それでほんとにおらが引き受けたおらの人生が完結するのでねべが

(P.159) 

 

2017年 ベストマンガ

 

  今年気に入ったマンガです。あまり数は読めていないので、あくまで備忘録。2017年12月時点で、単行本の刊行巻数が5巻前後、ないし以下のものを選定基準にしました。

 

続きを読む

2017年 ベスト小説

 

  今年読んで面白かったなあと思う小説や本を挙げていきます。少しコメントを打つ元気がない(執筆時絶賛インフルエンザ)ので、後日やります、絶対……

 

・2017年に刊行されたものに限る

・作家名五十音順です

 

続きを読む