12月、居間のシロクマ

 

  タイトルは、tacchi0727が友人から少しだけ見せてもらった伊舎堂仁さんの歌集から着想を得た。

 

トントングラム (新鋭短歌シリーズ18)

トントングラム (新鋭短歌シリーズ18)

 

 

このなかにある歌集の題名(?)に「とんかつのコロッケ」というものがあった。とんかつのコロッケ……なんだそりゃ。なんだそりゃなんだけど、なんかいい。とんかつという誰もが愛してやまない揚げ物を、さらにぐちゃぐちゃにして衣をつけ、再び油の海に投げ込むのか!?そんなリアルなことを一瞬考えたが、全くもっての野暮。それよりも言葉の響きがカーンと冴えている。トンカツのコロッケ。グラタンのピザ。カレーのシチュー。きゅうりの白菜……うくく。おもしろい。今度きちんと読もうと思ったtacchhi0727。

 

  そんな連想を時々脳内で繰り広げるお花畑野郎tacchi0727の生活は、ゼミ発表から幕を開けた。発表準備、これがなかなか手強いけれども、好きなことを研究しているものだから、そんなに苦痛は感じない。言いたいことがうまく言葉にできなくて、苦しむことはあるけれど。

  研究室に籠っていても筆が乗らないこともあるので、っしゃ、ここは思い切ってチケットを買い、スカートの『20/20』リリースツアーに出向いた。対バンはHomecomings。

  Homecomingsは、数年ぶりにライブを見ることができた。何と素敵なライブだった。「PLAY YARD SYMPHONY」「HURTS」「I WANT YOU BACK」の流れに、tacchi0727大感激。

  スカートは、素晴らしいライブ。ライブだからこその熱量のある演奏と、澤部さんの歌声。パワフルでいて、時に切なく歌い上げる姿はたまんねっす。アルバムの曲だけでなく、旧作の曲もたくさんやってくれたのはうれしかった。Negicco・kaedeさんに提供した「あの娘が暮らす街(まであとどれくらい?)」が鳴り始めた瞬間、こんにちネギネギーでもあるtacchi0727、嬉しくてワッと声が出た。

 


Kaede(Negicco)「あの娘が暮らす街(まであとどれくらい?)」(作詞・作曲 澤部 渡 編曲 スカート)

 

最後の「セブンスター」もよかったなあ。そしてパーカッションのシマダボーイさんが凄まじかったことも報告しておきます。終演後はHomecomingsの方々とお話することができ、大満足。

 

  発表も何とか終え、安堵したtacchi0727のもとにミツメから最高の新曲が届く。

 


ミツメ - エスパー

 

空白のなかにある耽美さ、少し外れたメロディー。彼らには珍しい王道メロディー進行だけれども、彼らにしかできないだろう音遣いにノックアウト。間違いなく今月のベストトラックや!!!と興奮していたところ、宇多田ヒカル姉さんがとんでもない新曲を発表する。

 


宇多田ヒカル 『あなた』(Short Version)

 

はんぱねえっす……。サブスクリプションも解禁されて、きちんと聴けてなかったいくつかのアルバムも堪能することができ、嬉しい限り。あと今月聴いた音楽といえば、トリプルファイヤー、My Hair is Bad、ちゃんと聴けてなかったPhoebe Bridgers、N.E.R.Dとか。

 

  年末ということもあり、友人・先輩・後輩との飲み会だけでなく、学会の打ち上げと称した飲み会が立て続けに起こる。最近感じるのは、酒を飲んでいる瞬間はこんなに気持ちの良い時間があっていいものかってくらい最高にハイになるのだが、tacchi0727本来はそこまで酒に強いわけではない。次の日になると、体調が優れないことが多いのが、これまた辛い。適量ならそこまで影響が及ばないものの、元来お調子者のtacchi0727は、この年になっても楽しい時のペース配分が下手糞極まりない。何やってんだかほんと。

 

  ぐでぐでしてしまうのもよくないので、先月図書館で文芸誌をパラパラとめくっていたところ、冒頭部分の語り口に引き付けられた若竹千佐子さんの『おらおらでひとりいぐも』を購入し、読む。

 

tacchi0727.hatenablog.com

 

こちらにも挙げているが、内容はというと、夫にも先立たれ、こどもとも疎遠となってしまった桃子さんのお話。このように書くと何だかしみったれた小説のように思えてしまうが、桃子さんの周り、というか桃子さんのなかから沸々と湧き上がってくる様々な声、思考は賑やかだ。方言も効果的に用いられており、非常にリズミカル。ひとりだけど、ひとりじゃない。生きるための強さが伝わってくる。ここで作中の好きな言葉をひとつ。

 

まぁ人間の無力を思い知らされたわげで、この世は絶望づ壁がある。したども一回それを認めでしまえば、これで案外楽でねがと、おらは思ったわげで、そこに至るまでの身の処し方を考えればいいどいうごどになる。(P.23) 

 

強いなあ、桃子さんは。このあと「はぁ、さっぱり分がんね、何言ってんだが。」と冷静になってしまうところは、何と人間深いことか!素晴らしい作品だ。

 

  中盤以降は後輩に誘われた催しものの準備やDJのためのセットリスト構成、年間ベストアルバムの選定といった傍ら、やる気の出なかった発表をひとつこなして、本年の学業タスクをひと段落させる。

  発表を行う授業だけではなく、友人に誘われ社会学についておしゃべり?をする授業にも参加しているのだが、ここで萩上直子監督の『バーバー吉野』を観る。

 

バーバー吉野 スペシャル・エディション [DVD]

バーバー吉野 スペシャル・エディション [DVD]

 

 

この映画から「伝統の創造」ということについて考えようという旨だったのだが、その観点以外からも大変面白く鑑賞した。地域や共同コミュニティにある伝統というものは、どこかの誰かが生み出したものであって、それが良いものなら残されていくべきだし、そうでないなら無くしていかなければならないだろう。ただ伝統ってのも、時代や人々の要請に合わせて変化していかなければならないのであって、こういった点について多くの人々が常に考えていくことが必要となるんじゃないかしらってのが授業の本筋(だったはず)。「吉野刈り」という決まった髪型へ反抗の意を唱え、(ネタバレにはなりますが)各々の自由を獲得していくも、それがラストシーンでは最先端の流行という観点から暗に視聴者を揺さぶりにかけるところは、興味深かった。もたいまさこのバッチリキマった理髪店店主の役柄もさることながら、子供たちの演技が生き生きとしており非常に良い作品。

 

  しばらく発表もないので、見たかった漫画に手を出す。『約束のネバーランド』の買えていなかった5巻、6巻、そして『左ききのエレン』、『月曜日の友達』を読む。いずれも良い、おもろい。こちらにも選出。

 

tacchi0727.hatenablog.com

 

  学会や友人たちとの会合を経て、しゃあ年末年始や!気分転換リフレッシュ。これが生きていくうえで重要なのであって、そうした楽しみを計画し、思う存分楽しむことで、次に迫りくる日常のタスクへ立ち向かうことができるのだ。と、それの下準備として意気揚々とアルバイトをこなしていくうちに、気づく。「ありゃ、なんだか寒気がするなあ」

  ある朝、暖房をつけて部屋を暖めておいたにも関わらず、この寒気が身体に否応なく襲ってくる。何だか身体もだるい。嫌な予感を感じたtacchi0727は、病院へ向かい検温。あまりの高熱に、思わず「これは……fluですね」看護師さんも苦笑い。「そうみたいですね、検査しましょう」

  予想は的中し、インフルエンザ。病室で崩れ落ちる年末年始の楽しい計画。トホホ……。どうやらB型だったらしく、お医者さん、思わずこう言う。「A型は流行していますが、今年に入ってB型は初めてですよ」なんでそんな珍奇なものに罹ってしまうん、おれ。最終的にはお医者さんとふたり、げらげら笑ってしまったのだが、帰宅するころには病魔が身体・精神ともにむしばみ、ベッドから動けなくなってしまった。

  様々な所連絡を行うなかで、心配してくれる友人たちに何度救われたことか。地元の家族や友人と直接会うことはできなかったけど、また帰ればいいさ。

 

  と気丈にふるまってみたはいいものの、滅茶苦茶寂しい年末年始でした。ようやく体調が回復した31日は、『ドキュメンタル』最新シーズンをまとめて視聴する。

 

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tacchi0727的なハイライトは、森三中・黒沢さんの歌に合わせてフジモンとダイアン・西澤さんが謎のダンスを繰り広げ、そこに野性爆弾・くっきー扮するテディベアちゃんが登場するシーンだった。黒沢さんのマイクにかかる謎エコー、珍妙さを増していく両隣の二人、絶妙なタイミングで登場するくっきーは、まさに笑いの共鳴。最高でした。

 

  紅白も普段は家族とみるのだが、今回は単独視聴。なんだか寂しいので、副音声のウラトークに切り替え、気分はバナナマンと共に視聴することとした。椎名林檎嬢・トータス松本さん「目抜き通り」は圧巻だった。Perfumeもすげえ。星野源さんは曲が良すぎるよ、ほんと。エレファントカシマシは熱かった……!今年は演出のグダグダ感も少なく、非常に楽しめた。欅坂46は1回目のパフォーマンスに気合が入っていたのが良くも悪くも影響し、2回目の内村さんとのコラボは見ていて心配にしかならなかったのが正直なところ。ただ16年の欅坂46を観ていたtacchi0727としては、わたしたちに訴えかけるようなライブが見たいとただ心から願うのみ。有明コロシアム初ワンマンライブ良かったよねぇ、と一緒にいった後輩と感傷に浸りがちな最近。時代はひらがなっすよと、諭す別の後輩。ひらがなけやき、良いよなぁ。その後輩からの幕張ライブの感想を聞くと、行けなかったことをただただ後悔。

 

  そんなこと考えている間にいつの間にか年が超えてしまった。tacchi0727は、今年一年こちらでわりかしアクティブに動けたことに満足しつつも、もっと様々なものを楽しみたいとギラギラ目を輝かせる。でも健康第一だよなと我に返り、ただ自ら、そして近辺人物の健康を願うのみであった。

  ただ様々な人の温かみに触れ、それが体調を崩した年末にヒシヒシと感じられることになったため、最後はそれに関連するだろうし、tacchi0727的にもグッときた『おらおらでひとりいぐも』の文章で締める。

 

  ああそうが、おらは、人恋しいのが

  話し相手は生きている人に限らない。大見得を切っていただぐせに

  伝えって。おらがずっと考えてきたごどを話してみって

  まだこの国に災厄が迫っている気がするも、どうしてもするも

  伝えねばわがね。それでほんとにおらが引き受けたおらの人生が完結するのでねべが

(P.159) 

 

2017年 ベストマンガ

 

  今年気に入ったマンガです。あまり数は読めていないので、あくまで備忘録。2017年12月時点で、単行本の刊行巻数が5巻前後、ないし以下のものを選定基準にしました。

 

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2017年 ベスト小説

 

  今年読んで面白かったなあと思う小説や本を挙げていきます。少しコメントを打つ元気がない(執筆時絶賛インフルエンザ)ので、後日やります、絶対……

 

・2017年に刊行されたものに限る

・作家名五十音順です

 

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2017年 ベストEP

  先日アップした本年ベストアルバムの番外編です。気に入ったEP、ミニアルバムをアーティスト名五十音順で並べていきます。ではどうぞ。

 

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2017年 ベストアルバム50

  今年も整理しました。本年良かったなあ、よく聴いたなあと感じたアルバムです。Apple Musicを導入してから、様々な作品、特に洋楽を数多く聴くことができるようになって、貧乏人には嬉しい限りですね。では参りましょうか。

 

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